お坊さんに相談にのってほしいと考えたことがあるでしょうか。

お墓のことや葬式のことだけでなく、いまの苦しい思いを聞いてほしい、助けてほしいという気持ちに応えられるお坊さんはあなたの周りにいらっしゃいますか?

お坊さんというとお葬式と法事のことを思い浮かべる方が多いと思いますが、私は少し違います。

祈祷僧といって、お薬師様をご本尊としてご祈祷を行います。

病気平癒、家内安全、夫婦円満、良縁祈祷、悪縁きり、交通安全、方位除け、就職祈願などなどです。人の困りごとの相談にのるわけですから、占いもします。
宿曜占星術といって空海が中国から伝えた密教の占いをします。その他、方位術としての気学や命名のための姓名判断もします。

浄土真宗はおみくじも出さないくらい加持祈祷を一切認めない宗派なので浄土真宗の門徒の方はお寺がご祈祷することに違和感があるかもしれませんが、実は浄土真宗以外の全ての宗派はご祈祷をしています。お寺で祈祷札を頂くのは普通のことです。
千葉の成田山とか浅草の浅草寺、川崎大師などは基本的に檀家をほとんどもたず、ご祈祷の祈願料でお寺を維持しています。数は少ないのですが規模の小さい祈願寺は各地にあります。しかし完全に祈願一本のところは少なく、祈願と合わせて法事も行う、あるいはかつては祈願寺であったけれども今はすたれてしまったというところも多いようです。上願寺はこの祈願寺です。

今、葬式と法事に頼りきっていたお寺は経営が非常に厳しくなっています。法事は代々家が存続していくことがどうしても必要で、子供の数が減り、お墓を守っていくことがどんどん難しくなり、既存のお寺が生き残りの方策として占いや祈祷を学びたいという気運もあるようです。

「家」ではなく一人ひとりの個人に向き合って相談に乗り問題を解決していく、それを通じて仏教の教えを伝えていくということ、これが私のめざしていることです。

現場にいる僧侶や私のような世襲ではないお坊さんが、生きている現実の人々の苦しみに対処するために、今こそ伝統的な宗教がご祈祷という「不思議」に向き合うことが必要だと確信しています。そういう動きはいま始ったばかりのようです。

真剣にお坊さんに相談したい。そういう方のために私は東京の小岩に祈願所を開きました。
私は鎌倉の天台寺門宗の密教寺院(金翅鳥院)で三年間寺の小僧をしながら正当な密教の行法(台密)を学んだものです。
千年受け継がれてきた不思議をこの身で体現してきました。
ご祈祷で病気が治る、人間関係が改善する、悪因縁が切れるということが実際に起こります。

ただ、それはあくまで仏様にお願いする、助けていただくという信仰が伴ってのことです。
まるでサービスを買うようにお金を払えば祈祷でなんでもかなえられると勘違いなさるかたも多いのです。
正しくない願い(誰かを呪う、楽して儲ける・・など)や努力の伴わない祈願はかないません。祈願を叶えないほうがそのひとのためになることさえあります。
ときには私は信者さんを叱りつけることさえあります。
それでも私にご相談なさりたい方をお待ちしています。

合掌


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上願寺のご本尊は薬師如来という仏様です。

親しみをこめて「お薬師様」とお呼びすることが多いです。

お薬師様はそのお名前のとおり病気を治してくださる仏様ですが、実は病気は体のことだけではありません。お薬師様にとって人生の苦しみはすべて病いです。
薬師如来は仏様になるにあたって、以下の12のご請願を立てられます。

ご請願とは、菩薩が仏になるときに衆生を救うために誓った約束事です。

薬師如来本願経というお経に説かれています。

薬師如来のこのご請願を特に薬師の十二上願と呼びます。
当寺院の名前はここからとらせていただいています。

十二上願を丁寧に読んでいただければお分かりだと思いますが、経済のことや食事、衣料のことまでお薬師様は気にかけてくださいます。

よく味わいながらお読みくださいませ。


第一願 光明普照

私から発する光で普く世界を照らし、すべての人々を尊い仏と同じ姿にならしめよう。

第二願 随意成弁

その身は瑠璃(ラピスラズリ)の如く、身心は優れ、清く穢れなく、うるわしく飾られ、人々を愚かさの暗闇から解放し、心のおもむくままに物事を成就できるように導こう。

第三願 施無尽仏

無限の智慧と方便を以て、すべての人々に必要なものを欠けることなく、尽きることなく得さしめよう。

第四願 安立大乗

よこしまな道を歩むものがいれば悟りの道に導き、声聴、独覚などの小乗のものには皆大乗の教えをもって安心立命させよう。

第五願 具戒清浄

無数の人々が、修業中に邪まな情欲に身をゆだねず清らかな修行をするときには、すべての人々が戒を保つようにしよう。例え戒を冒すようなことになっても、我が名を聞くなら、清らかな世界に戻り、地獄・餓鬼・畜生の三悪趣の世界に堕落することのないようにしよう。

第六願 諸根具足

もし人々が生まれながら眼・耳・鼻・舌・身に障害があり、もろもろの不治・難病の苦しみがあっても、我が名前を聞くなら、病はことごとく取り除かれ、生活の糧を得、身心の安楽を得て無上の悟りを得るようにしよう。

第七願 除病安楽

人々が種々の病気に苦しめられ、救いなく、頼れるところなく、医者がなく、薬なく、親なく、家なく、貧乏にして苦しみが多いとき、我が名を聞くなら、病はことごとく取り除かれ、生活の糧を得、身心の安楽を得て無上の悟りを得るようにしよう。

第八願 転女得仏

女性が女の百の悪に苦しめられるが為に、極めて穢れを嫌って離れたいという思いが生じ、女の身を捨てたいと願って、我が前を聞くなら、一切皆、女が転じて男となり、丈夫な体が具わり、最高の悟りを得られる。

第九願 安立正見

人々を悪魔の仕掛ける罠から救い出し、あらゆる外道の煩悩の束縛から解き放とう。さまざまな道理に暗い邪な欲望の林に堕ちたもののその手を取り、正しい物の見方に導き、菩薩行を修せしめ、速やかに最高の悟りを得られるようにしよう。

第十願 苦悩解脱

人々が誤った国法により捕えられ、鞭打たれ、幽閉され、刑罰を受け、あらゆる災難にさらされ辱められても、我が名を聞くなら、偉大なる神通力(福徳威神力)をもって一切の苦しみから救おう。

第十一願 飲食安楽

人々が飢えに苦しみ、そのために悪行をなすとも、私の名を聞き、一心にそれを念ずるなら、まず素晴らしい食事を与え、そのあとに、仏法の深い味わいをもって究極の安楽を得さしめよう。

第十二願 美衣満足

人々が、貧しくして衣服無く,寒さ、暑さ、蚊やあぶに悩まされ、昼夜問わず苦しんでいるなら、我が名を聞き、一心にそれを念ずるならば,その人々の望む素晴らしい衣服を得て、宝飾や香水までその望むところのものを与えて満足させよう。


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