毎年2月は星祭りの季節です。密教占星術は旧暦をもとに判断しますので、新年は2月から始まります。占いに詳しい方は、節分からはじまるのかと思われる方もいらっしゃるでしょうが、あくまで旧暦の1月1日です。今年は2月3日になります。星の吉凶は九年を周期としています。密教占星術も気学も、西洋の数秘術も、起源を異にしている占いが、みな9年周期を重視します。とても興味深い符合だと思います。
私は昭和36年生まれで、三碧木星で、今年火曜星を迎えます。合理的な感性をもっている方ならば、昭和36年という大雑把なくくりで運命など決まるものかと感じるかも知れません。とくに親の庇護のもとにある若年期にはひとりひとりの差は目立たないかもしれません。しかし、それでも学生のころには学年ごとに特徴があったことをお覚えていませんか? 元気がよいとか、おとなしいとか、あの学年はインターハイに多くの人が出場したとか。今年の野球のドラフトはS63年生まれの人たちが非常に注目され豊作の年でした。楽天の田中将大も同じ年です。会社組織でも何年入社組の特徴はすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
20代も半ばを過ぎるようになると、自分と同じ年の人間は周りにあまりいなくなり、その年生まれであることの特殊性が浮かび上がってくるものです。逆に同じ歳同士は似ているところがあって気が合うということも納得できるようになるでしょう。
人生にはサイクルがあり、それが大きく9年ごとに巡ってくるというのは先人からの知恵であります。もちろん生まれ年だけですべてが決まるわけではありませんが、そこに大きなエネルギーの流れを感じ、それに対応する星の働きに思いを寄せることは、自分の手の届かない大きな何かに身をゆだねざるを得ないということであり、それは宗教的な感性の始まるともいえます。
師匠は、悪星のときはもちろんだが、吉星のときこそ、星祭りを行うべきだとおっしゃっていました。悪星のご祈祷で験があらわれるとは、無事であること。いいかえれば何も起こらないことですが、吉星のときはエンジンにパワーが入って、より強く星のよさが実感できるものです。