次回の学研「ムー」で取り上げられます
ライターの本田不二雄さんのFacebook投稿から転記させていただきます。
「疫病除けの神仏」原稿脱稿
「ムー」7月号、扉入り15ページの原稿をようやく脱稿。薬師如来の霊場を全国からピックアップするかこみの記事のためにひと晩徹夜するなど体に悪い作業でしたが、扉ページのビジュアル(適当コラージュ)を見ると、無駄に面白そうな気がするので、皆さんよろしくです。
こちらが当院の牛頭天王。
牛頭天王は、【疫病除けのハイブリッド神仏】として紹介されています。
こちらは、牛頭天王の前身「天刑星(てんぎょうせい)」
◎疫病除けのハイブリッド神仏
「ムー」7月号の執筆原稿で、その代表格として挙げさせていただいたのが牛頭天王(ごずてんのう)でした。そのルックスは「牛頭をいただく夜叉のごときお姿」ということを除けば一定していないのですが、その典型的で、一番シンプルな像容が、今回掲載させていただく埼玉・春日部の上願寺に伝わるお像です。
ところが、図像を見ていくと、まったく同じお姿なのに素盞嗚尊(スサノオ)だったり、祇園大明神だったりします。祇園大明神の詞書きには、「牛頭天王と申す(は)スサノオなり」と書かれていたりします。どっちやねんと思いますよね。
さらに、現在のいわゆる京都東山の八坂神社の祭神は、ひとつの境内にあって、僧侶は牛頭天王といい、神主はスサノオといい、陰陽道を修めた暦家は天道神(暦の神)と称していたというんですね。かつては。
この事態に、明治政府は、真っ先に(元号が明治に変わる前に)その混じりっけを嫌って牛頭天王の名を抹殺したわけです。
でもどうでしょう。すっきりすりゃいいってことじゃないですよね。鎌倉時代から600年ぐらいかけてハイブリッドを極めて神格を更新し、バージョンアップさせて、疫病除けのカミとして練り上げられたところが真骨頂だったりするわけです。そこが江戸庶民に支持されるゆえんでもあったと思いますね。
なぜそんな形で混じっちゃったか。そりゃもう、いろんな智慧や呪力を集結して、疫病除けのちからを高めていったからにちがいない(ざっくり言い過ぎ?)と思うのです。このことは、神仏習合全般にいえることですね。