三井寺長吏猊下(げいか)上堂式

本日園城寺(三井寺)に於いて、福家俊彦(しゅんげん)大僧正の長吏就任の宗教行事であるところの上堂式が厳修されました。

智証大師円珍から数えて164代目。

1300年の歴史。

七条袈裟で着飾った式衆の三井流の美しい声明。

普段閉ざされている金堂の内陣の中央に弥勒菩薩(絶対の秘仏)、左に伝教大師最澄さま、右に始祖、智証大師円珍さまの両お軸。

国宝の金堂では文化庁から火を使ってはならぬという指示があったそうですが、この大事な行事においては、何本もの蝋燭が灯され、薄暗い堂内の宝物を神秘的な灯りが照らします。

その三聖に献茶がなされます。

厳かに法要が終わると琵琶湖プリンスホテルで500人の参列者と共に、祝賀会が開かれました。

延暦寺座主猊下を始め、石山寺、金峯山寺、聖護院、きら星の如く多くの有名寺院の代表の方々がご列席くださいました。

園城寺の歴史の重さと格の高さを誇りに思うと同時に、その一端を担うことの責任の重さも痛感させられました。

長吏猊下が就任なされたのは2年前。

コロナ禍にあって伸び伸びになっておりましたが満を持しての開催になったものです。

私の身内が多い晋山式でさえ神経をすり減らしましたが、この巨大な法要を成功に導いた諸先達のご心労を思うと、平身低頭の思いが致します。

実は私は、献茶道のお偉方の運ぶ献茶の器を内陣で受け取り、伝教大師のお軸にお捧げするという大役を賜わりました。

裾を踏んで転んだり、お茶器をひっくり返したり、果ては蝋燭を倒したりして、国宝の金堂を焼いたりすれば切腹ではすみません。

若いお坊さんに助けて頂き、無事に努めあげることが出来ました。

ありがとうございます。

名誉なことでございました。

という経緯でございましたので、いっさい写真は撮ってございません。

大々的に、放送局やら新聞社の取材がありましたので、映像や写真の公開はあるのだと思います。

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