天雷无妄(てんらいむぼう)
先日師匠の寺でひさしびりの「義理易」の講義を受けました
義理易とは易経を占いよりも哲学的な面を強調して学ぶ学問です
飯田吉宏先生に教わっています
https://www.facebook.com/iidayoshihiro
昨日のテーマは天雷无妄(てんらいむぼう)という卦です
占いでこの卦が出ると天変地異を表すとしておそれられるということです
无は無、妄は妄想の妄ですが、ここでは妄を「計らい」ととるそうです
易の卦は64ありますが、易を哲学的に考察するひとの中ではとても人気のある卦と伺いました
計らいとは「処置、措置、考え、配慮、分別」、それらが無いのが「无妄」
なるようになるというのが浅い解釈でしょうが、天変地異において人の「計らい」を前面に出すのではなく現状を受け入れて無為自然に目の前の課題に取り組むことだと教わりました
そして今回の講義で最も私のこころに残ったのは自然の働きには「計らい」はないのだ、という点です
自然は人類を懲らしめようとして、コロナ、いなご、地震、大雨やらを起こしているわけではない
自然の恵みと呼ばれるものも自然の意思や計らいがあるわけではないということです
これが「无妄」であると
なぜ、こんなひどい目にあわされるのだという気象や自然現象があいついでいます
自然を恨みたくなります
ここで自然には計らいはないのだ、无妄だ、と聞くことは私たちを救うと感じました
地震も大雨も疫病も大勢の人を無差別に襲います
因果論を中心とする仏教でこのことをどうとらえていけばよいのか私には悩みどころでした。
こんなひどい目にあうのはあなたが前世で…という説明を天変地異にあてはめるのはあまりにむごいと感じていました
天地には「計らい」がない、という点から認識をスタートすること
なにか大きなヒントを頂いたと感じています
加藤大学先生の解説も以下に
https://ekikyou-dokugaku.com/tenraimumou.html