僧侶と女子力③
掃除終わりました
次は何をすればよいでしょう?
は基本的に、少なくとも初行者にとっては☓です
「掃除が終わったかどうかを判断する権限などお前にはない」
のです
お伺いをたてるのが基本です
ただそれをいつまでもやっていてはなりません
師匠の負担を増やすことになるからです
もっとひどいのは、掃除を終えて勝手に違うことをやることです
本人は気を利かせたつもりでも、師匠は掃除の次に頼みたいことがあったかもしれません
あなたのやりたいこと、やるべきと考えたことを実行しても寺では何の評価もされないどころか、馬鹿にされるのが落ちです
寺において、小僧が勝手にしていいことなど何もありません
一人で判断してよいことも何一つありません
かと言ってじっと指示を待っているだけでもダメです
どうせいちゅうんじゃ
ですがそこを生き抜くのが寺の小僧の仕事です
掃除終わりました、と言って、叱ってくれればその師匠はやさしい人です
本来は
「そうかぁ、ご苦労はん、もう帰っていいでぇ」
とか言われて二度とお呼びはかからない
と言うのが基本です
そうやって小僧は「個性」や「意志」を潰されていきます
いま、一般の企業でこれをやるのはたぶんダメでしょう
ですから娑婆でまともな感覚の人ほど不満が溜まると思います
しかし、この壊されるという体験は大変重要です
場合によっては小僧の判断が師匠よりも正しいことだってありえます
でもそこで大事なのは師匠がどうしたいかであって「あなた」はどうでもよいのです
ときには出来のよい弟子がいてあまり壊されないことも起き得ます
しかし、一旦殻を壊しておかないと師匠と弟子のパイプは出来づらいと思います
法はそのパイプを通じてしか伝わりません
テキストは大変重要ですが、それは基本的には師匠との絡みでは最後の部分だと思います
(勉強しない言い訳かも……)
かくして、寺は組織として硬直化しやすいのだと思います