母のところにコロナワクチン接種券が届きました。

予約の電話は全く通じませんでした。

そこで母は頑張ってネットからの予約に挑戦します。
①WEBで入力フォームを検索する。
②接種券のIDを入力する。(10桁くらいの数字)
③パスワードを設定する。
通常、ここまでで後期高齢者は挫折すると思います。

80歳を超えている母はやりました。大したもんだと思います。
ところがこのあと挫折します。

福井市(母の居住地)は144か所の病院・クリニックでワクチン接種が可能です。
申し込みする人からすると、任意の病院で、任意の日程で申し込みたいところですが、そうするとワクチンの配送、病院の看護師の手配等が複雑すぎて現実的ではないでしょう。
そこで福井市は、144の病院にあらかじめワクチン接種の日程を割り振ってしまいます。
〇〇病院でワクチン接種してもらいたいとなれば、日程は選択できない。
日程を選択すると、受け付けられる病院は近いとは限らない。その病院は一つには決まらない。
(車で移動でき、なるべく早く接種を望む人はこの選択になりましょう。)
これはなかなか大変な操作になります。

現実の入力画面では病院と日程を選択するようになっていますが、〇〇病院で何月何日と入力して検索すると該当するものがない、となります。
母は近所の病院で受けることを希望し、〇〇クリニックと入力します。
クリニックと半角で入力すると検索できない。
〇〇はよくある名前で、住所でも検索されるため(〇〇町がある)該当する病院が100近く表示されてしまい、最初の検索結果の画面には出ない。次の1,2,3…の2が押せない。

こういうことはコンピュータの操作能力の問題ではなく(ここは母はクリアしてます。上記①②③)仕組み自体の複雑さの問題だと思います。
病院ごとの割り当て数を超えて申し込みがあった場合、空いている違う病院を探して申し込まなくてはなりません。
そこで早く予約したいというプレッシャーもあります。
到底、独居老人には無理なこと。
(というか若くても無理な人は相当数いると思います。)
近くに援助する人がいないと厳しいと思います。

自治体は住民台帳から老人のいる世帯を抽出して接種券を送るだけでも大変。
病院との日程の調整、病院ごとのワクチン数の把握、ワクチンの配送、注射器の手配、病院への予約者の連絡、キャンセルの対応…
これは大変なプロジェクトです。
このシステマティックな仕組みづくりに十分に対応できる人材が、自治体の規模によらずいてくださるとはとても思えない。
外部の人材の取り合いになるでしょう。
対応に自治体の差が大きく出るでしょう。
福井市はよくやっていると思います。

追記
私は、埼玉からPCの遠隔操作で母の援助をいたしました。
こういうシステマティックな発想は実は相談業務には必要なのです。

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