母:上願寺に来る②
目的のその2は母の高校時代の友人との再会です。
と申しましても、その方はある施設に入っておられて、コロナ禍で面談はかなわないとあらかじめ分かっておりました。
面談は金曜日のみ、しかも近親者だけ。当然会えないと思います。
それでも母はどうしても近くまで寄りたいと申しますので、車で参りました。
外観だけ見て帰ることになるのだろうなあ、と思いながら、私が母を車に残して、玄関先のパンフレットをとって帰ろうとすると、中の職員の方が声をかけてくださいました。(入所希望者だと思われた。)
私は、「実は母が、福井から来て、友人がここにいるのを、そのことだけでも実感したい。」ということで連れてまいりました。
と申しますと、職員は気の毒そうに、「近親者と連絡が取れていませんからねえ」とおっしゃいます。
その様子を見ていた母、「会う!」と車から降りて、杖をついてその職員と直談判を始めるではありませんか。
うわ、無茶するよなあ。
そして、なんと、職員は施設に入れてくれたのです。
母は熱を測ると37.0° アウト!
ひるみません。再度図ると36.6°(興奮していたのですね)
82歳の根性みせてもらいました。
明らかにルール破りなのですが、たまたま、ほかに面談の予約がなかった、運がよかったですね、とのこと。
明日は必ず朝がくる、というのは若い人だけ。
来年はもうどうなるかわからないというのは切実なようです。
この横紙破りの根性は私にはないです。
ルール遵守が全てではないことも目の当たりにしました。
粋な計らいというのは実はルール破りであることが多い。
どんどんそれが許されなくなっているのは世知辛いです。
(ということで施設の情報は場所含めて一切明かせません。)
職員の方の「近親者と連絡が取れていませんからねえ」は、「え、連絡取れれば、曜日違うけど、近親者じゃないけど会えるってこと」という希望の言葉でした。
母:上願寺に来る③につづく…