本の紹介①
最近の一連の私の文章を書くきっかけとなった本です。
「どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2」―(新潮新書) Kindle版
「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)
の続編です。
IQ(知能検査)が70以下がいわゆる知的障害であり、彼(彼女)らが治療や支援の対象になりますが、そこから漏れる人たち、その前後のいわゆる境界値を示す人たち、ぎりぎりの人たちの話です。
頑張れない人たちがいる、と聞くと、最近の風潮では「無理に頑張らなくていいよ」という話かと思われそうですが、この著者の主張は違います。
頑張れない人たちがいる、でも彼らも実は頑張りたいのだ。
頑張って、できないことができるようになって評価されたいのだ、と言います。
境界値の子供を抱えた親には2つのパターンがあるとか。
①なんとか人並みの生活ができるようにしてやりたい。
②これはこの子の個性だと受け入れることにします。
著者は②のパターンを強く非難します。
世界で生きていくために最低限の基本を身に着けさせるべきだと。
また、少年院の子供たちへの指導で、キチンと親に挨拶ができるようになる。すると親は感動して、子供に向かう態度が変わるそうです。
子供が変わらなければ親は変われない。
この主張も驚くべきものです。
他人と過去は変えられないというのが昨今の常識です。
わたしは実はこの言葉に納得できていませんでした。
冷たくないですか?
(逆張りの主張③でまた書きます。)
著者はあくまで弱者に寄り添いながら、そのままでよいのだ、という風潮に逆らっているように見えます。(拍手 ぱちぱち)
著者の実体験と実践からくる言葉は私たちの心を打つと思います。