このあたりの者でござる
by 野村萬斎
あなたは誰かと問われたときに、狂言で、よく使われる言い回しだそうだ。
狭い地域性に囚われた前近代的な言説と言えなくもない。
ところが野村萬斎氏によると、この言葉は多様性そのものだという。
この辺りの者でござると応えるのは、生きているヒトのみでなく、死霊、妖怪、狸、狐、怨霊…
なんでもよい。
このセリフは地域を問わない、ニューヨークだろうがシンガポールだろうが構わない。
時代を問わない。
妖怪も狐もここにいるのですよ、と当たり前に設定される。
多様性は普遍性のなかにあり。
面白いです。
追伸
●「多様性」の発言はNHKの演芸図鑑で桂文珍師匠相手の発言です。
●記事のなかの、身を任せて委ねればよいのだ、というのは「君たちはどう生きるか」にも通じると思います。
でもあれはストーリーの筋立ては極単純だと思いますけど…