戒とは その8
上求菩提 下化衆生
じょうぐぼだい げけしゅじょう
と読みます
菩提はそのまま「悟り」でよいと思います
上に向けては悟りを求め
下に向かっては衆生を教化する
仏教への興味はまずは「上求菩提 」だと思います
悟りと言ってもよいですが、聖なるものへの憧憬(憧れ)なしに宗教はありえません
大変なのは「下化衆生」ですね
下化衆生は人を助けるとのはちょっと違うと思います
世界には生きた菩薩がたくさんいらして、福祉に携わってくださっています
頭が下がりますが、僧侶はあくまで仏教を説くことが役割だと教わりました
仏教を説くと申し上げましたが、まずは人としての正しい道を説くことと考えてもよいと思います
だから助けない、ということもあるのです
これはなかなかの覚悟が必要です
僧侶も人間ですから、さまざまな人間的な弱点を抱えています
「お前に言われれたくない!」と言われたら怖いなぁと思いつつ、私は話をしています
僧侶は仏と同じ立ち位置に立つという覚悟を求められるのです
ですから戒の力が必要なのだと思います
下に向かっては、とはかなり過激です
上から目線です
そこに恐れのない人はあまり信用出来ません
たまにいらっしゃいます
「私、人を救いたいんです」から始まるひと
「上求菩提 」だけでも、なんの問題もないと思います
でも上求菩提 なしの「下化衆生」だけはありえない
仏教を説くことが、僧侶の責任です
書いてて怖くなってきました