カエル・サル・ウサギ
四箇大寺と申しまして、古くから朝廷の尊崇の最も厚かった4つの寺院があります
平安時代には,東大寺,興福寺,延暦寺,園城寺をさしたそうです。
わが三井寺(園城寺)もこの仲間に入っていて、別格というか大変寺格の高い寺であったわけです
ご存じのように比叡山延暦寺は朝廷や武家勢力のいうことを聞かず、かなりやんちゃな存在であったようでその対抗組織として三井寺は武家勢力から支援を受けていたような歴史もあるようです
さて、興福寺,延暦寺,園城寺にはその寺名を聞くとおのずと想起される動物があります
興福寺:カエル
延暦寺:サル
園城寺:ウサギ
です
●興福寺:カエル
言わずと知れた猿沢の池です。この池は興福寺の放生会(捕獲した魚や鳥獣を野に放し、殺生を戒める宗教儀式)のために作られた人口の池です
カエルがたくさんいます
●延暦寺:サル
日吉大社といえば真猿、魔が去るに通じるといって、日吉大社にお参りするとサルの像やお守りがたくさんあります
日吉大社は最澄が比叡山の地主神を祀る日吉社を守護神として崇敬することから延暦寺と関係が始まり、延暦寺が勢力を増してくると、日吉社と神仏習合する動きが出て、日吉社は延暦寺と次第に一体化していきます
ですから延暦寺といえばサルをイメージできるのです
●園城寺:ウサギ
三井寺にお参りすると近接して三尾神社があります
ウサギは三尾明神のお使いとされ、境内にはウサギの像があってとてもかわいいです
三尾神社は三井寺の鎮守社です。ただ日吉大社のような隆盛はいまはなく、園城寺境内にある旧社地は、三井寺霊園となっているそうです
神社の領域が墓地になっている。びっくりです
さて、興福寺、延暦寺、園城寺は平安のころは大変仲の悪い関係でした。
カエル・サル・ウサギは、鳥獣戯画の登場人物(?)です
それぞれの動物をそれぞれの寺に見なしてもういちど見ると、京都っぽい裏がありそうで面白いです
P.S 延暦寺の西塔の釈迦堂は、解体された三井寺の金堂を移築したものです。
昨日NHKで鳥獣戯画の特集をやっていましたので書きました
寺の話は出ませんでしたね