「虎と翼」と「公と私」①
寅子は夜の付き合いで泥酔して午前様になる。
まともに調理ができない。
子供の様子が見えていない。
家事を丸投げのくせに「家族皆で協力しあっている」と公言する。
私が稼ぐから、お金の心配をせずに、皆、好きな道を行けばよいと、恩着せがましく言う、しかも、それがマウントになっていることを意識できていない。
まるっきり「おっさん」である。
寅子が男性化してダメになった、という文脈でこれを語ると、男vs女 の不毛な論争になって埒が明かない。
私はこれを「公」と「私」の葛藤ととらえたい。
寅子は「女性の為」「日本の為」「平等の為」に働き、アメリカに視察までして、視点は限りなく、広く大きく「私」から離れていく。
そして寅子は「私」の領域から罰を受ける。