仕事をする際に必要な能力は様々です
事務処理能力や忍耐力や、いろいろな多方面の能力が求められます
全ての能力に卓越している人などいるはずはないので、欠点を気にするより、長所を伸ばしましょうという主張をよく耳にします
本当にそれでいいのでしょうか
経済アナリストの森永卓郎の言葉に
「仕事はかけ算である」
というのがあります
仕事の能力 =計算能力×事務処理能力×コミュニケーション能力×交渉力×集中力×約束を守る力×記憶力×判断力×勇気×忍耐力×…
です
全てが人並み以上である必要はないし不可能でしょう
しかし、仕事の能力が個別の能力のかけ算ということの意味は、中に一つでもゼロがあれば、仕事の能力はゼロである、という厳しい現実があるのだ、ということです
足し算が仕事の能力になれる人はごく少数の特赦な人です
例えば、非常に優れた芸術家とか、特殊な技能を持つ職人とかは、例えばコミュニケーション能力ゼロでも周りの人間がフォローするかも知れません
ほとんどの人はそういう人ではありません
細かい数字の管理は苦手な人がいても、その人はそういった仕事を完全に無視できないのが現実です
仕事をかけ算としてとらえる覚悟がないと、自分にはこの仕事は向いていない、もっと適性のある仕事をさせて欲しいという呪縛から逃れられません
自分にはもっと向いている仕事がある、というのは一通りのことができるようになってから後のセリフです
苦手なことがあってもいい
しかし人の倍時間がかかっても、ゼロではダメです
私は師匠の小僧を始めた最初のころ「お前の個性などどうでもよい」と言われました
なるほどなぁ、と今なら少し分かります
長所を伸ばしましょうというのは美しい言葉ですが、苦手なことは無視してよいという意味ではないのです
出来ないことが出来るようになることしか自信につながる道はないと思います