踏割(ふみわり)蓮台
仏さまは、台の上に座ったり立ったりなさってますが、いろんなものに乗ってらっしゃいます
蓮の花、岩、獅子、象、雲、邪鬼、鵞鳥(がちょう)、狐などなど…
(師匠のお寺には猫に乗った仏さまのお像もございます)
とは言え、蓮の花が目立ちます
大仏さまがお座りなのは巨大な蓮の花です
泥に咲く花として蓮は仏教のシンボルですが、当家の十一面観音さまはちょっと特殊な蓮の花の上にお立ちです
花が2つに分かれているのがお分かりでしょうか?
こういうのをは「踏割(ふみわり)蓮台」といいます
時々見ます
踏割蓮台は主流ではありませんが、案外見つかります
お寺で探して見ましょう
見つけたとき、「お、踏割蓮台だ」とかつぶやくと、通っぽく見えてよいと思います
2つに割れた蓮の花は現実にも稀にあるとされ、大変尊いものとされたそうです(四つ葉のクローバーのすごいバージョン)
踏割蓮台は作るのが難しく、いわゆる高級の証であります(ここ自慢してます)
お像を外すと台にはハの字にホゾが掘ってあって、お像の足の裏には一本歯の下駄のようにジョイント部が突き出ています
写真を撮りかけて「バカ、やりすぎだ!」との天の声(師匠)が聞こえましたのでやめました
お気づきでしょうが、ポツポツの丸い印はレンコンの穴です
そして仏様は裸足です
宝石のついたネックレスやらかんざしやらで身を飾り大変おしゃれな仏様ですが、なぜか位の高い仏様は皆さん裸足です
意味は必ずあると思いますが、私は調べてもわかりでした(すいません)
ちなみに天部の仏様は皆さん靴をお履きです
有名な興福寺の阿修羅像はサンダルをお履きです
仏像はいろいろ見るところがあって素敵です
明日は一旦、十一面観音シリーズをおやすみして「一願成就」のお話を書きます
羽田守快師僧より一言いただきました
↓
踏み割蓮華を踏む御仏は実は歩んでおられる表現です。
密教では道場に入るのに歩歩足下に蓮華を踏むと思えと言いますね。踏まれたところに蓮華が生じる表現です。
積極的に歩み寄られるという表現の御仏です。
そうともいえますが、踏割蓮台はやはりもっと古いものと考えられます。
奈良時代、聖武天皇さんの時代の頃とも思えます。
色々諸説があると思いますがそれはそれでいいと思われますがいかがでしょうか?