十一面観音像はどうやって手に入れたか
拙寺の十一面観音像は私が師僧の寺で小僧をしていた時に購入しました
10年以上前になります
ヤフオクです
オークションで競り落としたものです
拙寺の仏像の半分くらいはヤクオク経由です
新規に仏師の方に彫っていただくのでない限り、仏像を手に入れるのは古物商かオークションになると思います
仏具屋でカタログに載っている仏像もあります
ヤフオクと聞いて、抵抗のあるかたもいらっしゃるかもしれませんが、「仏像大好き人間」の方々は、頻繁にヤフオクをチェックしていらっしゃいます
一度、嵌(はま)ると大変です
ある程度必要な仏像というものがあるのですが、いいものが出ると、これは買わずんばあるべからず(これを「ずんばもの」という)という気になりオークションに投入する金額が吊り上がります
「この仏像25万円? 安いじゃん」
みたいなことになり大変危険です
私が小僧に入る前に10年間務めた会社の退職金300万円は瞬く間になくなりました
おかげで今の寺があるのですが、師僧は「いい厄落としになったな」とただ一言
古仏は修理が必要なことが多く、本体より修理料金がはるかに高いことはよくあります
薬師さまのお像は購入金額の五倍修理費用がかかりました
ヤフオクの十一面観音像を師僧に紹介していただいたときは「ずんばものアラート」鳴りまくりです。
オークションの投入金額はどんどん上がり50万円を超えます
しかし競争相手はするすると金額をあげる
もう限界です
私は泣く泣く諦めたのでした
実は拙寺の十一面観音さまは一時、他人のものだったのです
ところが数日たってヤフオクの出店サイト(五体投地)から連絡があり、落札者がキャンセルしたいと言っているので代わりに買ってくれないだろうかとのこと
運営者がぐるになって値段を吊り上げるということもあり得るのですが、五体投地は大変信用されているサイトであり、よもやそんなことはあるまい、というのが師僧の判断でした
拙寺にいらっしゃりたかったのでしょう ありがたいことです
頭の11のお顔は六つくらいしかなかったと思います
あと、瓔珞、天冠帯といったネックレス、かんざしの類の装身具は後付けです
お数珠も追加しました
ちょっとピカピカで、最初の感動がちょっと・・・・
なんにせよ拙寺の仏像は十一面観音さまに限らずすばらしいものがたくさんあります
師僧からは寺の名前は「分不相応寺」にせよと言われます
仏像の修理については、豆知識(修理)をご覧ください
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明日は貪瞋痴の「痴」をちょっと書こうと思います
先ほど十一面観音供養法952座め修し終わりました