妙法蓮華経 観世音菩薩普門品第二十五偈
般若心経と並んでよく読誦されるお教です。
般若心経はとても哲学的で内容は難しいのですが、観音経はとても具体的です。
◯◯の困ったことがあっても観音様のお力を念ずれば(念彼観音力)必ずお救いくださる。
という文言が繰り返されます。
◯◯は例えば、崖から落とされても、賊に襲われても、刀で切りかけられても、…と続きます。
ようはどんなひどい時も観音様は助けてくださる、ということなのですが、具体的なことを繰り返しお唱えします。
この繰り返しで観音様の面倒見の良さがしみじみ染みてくるのです。
観音経は前後に別れ、よく読まれるのは後半の偈文(韻文)ですが、前半には観音様が三十三の姿に変身して私どもを助けてくださる様子が繰り返されます。
繰り返しはリズムとなって読むものを癒します。
お恥ずかしい話ですが、長く読んできてこの繰り返しのありがたさが、ようやく感じられるようになりました。
一度言っても、一度救っても、それだけで人は変われないのでしょう。
観音様は姿を変えて身の回りにいてくださいます。
感じられるとよいですね。