万国英霊
先ほど英霊の為にお経あげてください、という若い女性がいらっしゃいました。
経木塔婆には
「為万国英霊」
と書きます。
敵も味方も合わせて亡くなった若い兵士たちの為の祈りです。
亡くなったとは綺羅な言い方で、「殺された」「殺した」というのが恐ろしい現実かもしれません。
朝日新聞が
ゆらぐ「平和」のかたち
という特集をネット新聞で組んでいます。
80代の戦争の悲惨さを訴え続けてきた戦争体験者の方が、今ウクライナ絡みで質問が来ることに戸惑いがあると記されています。
「平和のためには軍備を増強する必要があるのでは?」
80代のその方は、必要ないとは簡単には言い切れない。
平和が大事、と訴えるだけではもう届かない。
佐藤優氏は理念は暴走すると警告しています。
ウクライナは一方的に攻められ蹂躙(じゅうりん)されました。
正義はロシアの勝利を許さないでしょう。
しかし、アメリカはロシアを叩き潰すだけの武器をウクライナに与えない。
アメリカは本音では、ロシアの弱体化のためにこの戦争をウクライナの犠牲を伴ってでも長引かせるほうがよいと考えているのかもしれません。
世界は複雑に出来ている。
単純化は楽ですが最も避けるべきことです。
しかしその複雑さの上で政治は決断しなくてはならない。
戦争を止めるためには正義にこだわっていてはならないのかもしれません。